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[ビジネス]FTC 敗訴 Microsoft による Activision の買収差し止めに関して

 

The Verge の記事を翻訳いたしました(個人名は原文のままです)。
 訳文の一番下にあるボタンからソースのページに移動できます。


 

Microsoft が、Activision Blizzard 買収を巡る
連邦公正取引委員会との戦いに勝利

垂直的統合は、業界内の競争を弱めない


Tom Warren Jul 12, 2023, 12:06 AM



 

 カリフォルニア州の判事は、5日間にわたる厳しい証言を経て、Microsoft によるActivision Blizzard の買収完了を許可しました。Microsoft は依然として FTC(連邦公正取引委員会)による独占禁止法訴訟に直面していますが、Jacqueline Scott Corley 判事は FTC と Microsoft 双方の主張に耳を傾け、規制当局の仮差止命令の請求を却下することを決定しました。

 

 本日提出された判決の中で、Corley 判事は次のように述べました。

 

 Microsoft による Activision の買収は、テクノロジィ史上最大規模と言われています。よって、それは精査に値します。その精査は功を奏し、Microsoft は書面、公の場、そして法廷で、「Call of Duty を Xbox と同等に10年間 PlayStation 上でプレイし続けること」を約束しました。また、同シリーズを Switch に提供することで任天堂と合意済みです。そして、Activision のコンテンツをいくつかのクラウドゲーム・サービスに初めて導入するためのいくつかの契約を締結しました。
 本件における当裁判所の責任は広くはありません。こうした現在の状況にもかかわらず、FTC の行政訴訟の解決を待つまでの間、合併を中止すべきか(場合によっては終了すべきかどうかを)決定することになります。
 説明された理由により、裁判所は、FTC が、この特定の業界におけるこの特定の垂直的統合が競争を実質的に弱める可能性があるという主張が勝てる可能性を示していないことを認定しています。それどころか、記録的な証拠は、消費者による Call of Duty およびその他の Activision コンテンツへのアクセスが増加していることを示しています。したがって、仮差止命令の申し立ては却下されました。

 

 Corley 判事は、 Call of Duty を PlayStation で継続し、ゲームを Nintendo Switch にも拡張するという Microsoft の公約について、明らかに Microsoft の側に立ちました。FTC が Microsoft のクラウド契約に異議を唱えたにもかかわらず、彼は判決においてそれらを考慮に入れました。
 裁判所の判決は、Nintendo Switch が家庭用ゲーム機市場の一部であることについて理論的には Microsoft の意見に同意する一方、FTC が合理的にそうではないと主張できることも認めています。また、同判事も、コンソール市場には PC は含まれないという点では FTC に同意しました。

 

 Corley 判事の判決を受けて Microsoft 社長の Brad Smith 氏は声明で、同社は「迅速かつ徹底した判決を下したサンフランシスコ裁判所に感謝しており、他の法域が折りよい解決に向けて引き続き努力することを期待している」と述べました。
 裁判の重要証人である Xbox の責任者 Phil Spencer 氏も反応をツイートしました。
「私たちに有利な判決を迅速に下してくれた裁判所に感謝しています。証拠は、Activision Blizzardとの契約が業界にとって有益であり、コンソールの切り替え、マルチゲームのサブスクリプションサービス、クラウドに関する FTC の主張がゲーム市場の現実を反映していないことを示しています」

 

訳者注
 以下の投稿内容は記事に一致するので、翻訳は割愛いたします。

 

 Activision Blizzard もこの決定に反応しています。同社の Bobby Kotick 最高経営責任者(CEO)は声明で「われわれの合併は消費者と労働者に利益をもたらすだろう」と述べました。
「これにより、定着した市場での筆頭企業が急速に成長する業界を支配し続けることを許すのではなく、競争が可能になります」

 

 FTC の広報担当者 Douglas Farrar 氏は声明で、(以下のように)FTC はまだ次の動きを計画していると述べました。
「この合併がクラウドゲーム、サブスクリプションサービス、コンソールにおける自由な競争に明らかな脅威をもたらすことを考えると、この結果には残念です。競争を維持し、消費者を保護するための戦いを続けるため、数日以内に次の段階を発表する予定です」

 

 今回の判事の判決により、Microsoft は7月18日の期限より前に Activision Blizzard との取引を完了することが認められました。
 ただし、これは同社が英国全土で取引を終了する意思がある場合、または CMA(競争市場庁)が何らかの救済策を交渉する用意がある場合に限られます。英国の規制当局は4月に Microsoft の買収提案を阻止する動きを見せており、同社は現在その決定に対して控訴中であり、7月28日に始まる公聴会を予定しています。

 

訳者注
 以下の投稿内容は記事に一致するので、翻訳は割愛いたします。

 

 MLex は 先月、Microsoft が英国規制当局の差し止めにもかかわらず契約を完了する選択肢を模索していると報じましたが、そのことが FTC を牽制して最初から差止命令を要求したこともありました。CMA はまた、 Activision Blizzard の買収決定に対するMicrosoft の上訴を遅らせるよう申し立て、 FTC 対 Microsoft の公聴会 の最中にその要請を行いました。CAT(競争控訴裁判所)は、控訴手続きが7月から10月に延期される可能性があったため、「正義と公平性に反する」として、この要請を却下しました。

 

 Corley 判事の判決から数分後、CMAと Microsoft の双方は、CMA のクラウドゲームに関する懸念に対処するために Activision Blizzard の契約をどのように変更できるかを交渉するため、英国での法廷闘争を一時停止することに合意しました。CAT はこの一時停止を承認する必要がありますが、英国ですべての関係者が救済策を確保することに意欲を示しているようです。

 

 欧州の規制当局は5月にこの取引にゴーサインを出した ため、Microsoft は英国なしでも合衆国の差止め命令なしでも厳密には取引を阻止できることになった。ただし、これは複雑なシナリオであり、Microsoft と CMA が双方ともそれを回避したいと考えていることは明らかです。

 

 FTC は今後、7月14日午後11時59分(PDT) に先立って Corley 判事の判決に対して控訴する機会があります。ただ、規制当局は Meta による Within の買収を許可した裁判所の決定に対して控訴しなかったため、代わりに Microsoft と Activision Blizzard に対する訴訟を放棄しない可能性があります。

 

 裁判所命令が有効であれば、FTC 委員長の Lina Khan 氏にとって規制当局トップとして2度目の大きな敗北となります。同氏は、2021年に同庁長官に就任が確認されて以来、大手技術系企業を追い続けています。

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ついでに、「管理人からひとこと」を読んでみる


 

管理人からひとこと

事実上、残るは英国のみ(カナダ当局は、明確な差し止め表明ではなく)。


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