[解説]PlayStation コンントローラの進化
PushSquare の記事を翻訳いたしました(個人名は原文のままです)。
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特集: PlayStation コンントローラの進化
ソニーのパッドが長年にわたってどのように変化したか
Stephen Tailby Wed 2020.4.8 18:00
世代交代が少しずつ迫って来ています。PlayStation 5 は脚光を浴びるため舞台の袖に控えています。
ソニーの新しいコンソールはもちろん、高速 SSD、3D オーディオ、真に合理化された UI など、他の重要な機能をそてえており、改訂されたコントローラを採用します。
現在、この PS5 用コントローラは DualSense として認知されており、これはソニーが(次世代機の)デザインの面の公式発表でこれまでに行った最大の出発点です。DualShock の名前も廃止されました。これまでの PlayStation パッドの基本的な機能は搭載されていますが、オリジナルと近い将来発売されるデバイスとを比較すると、その違いは歴然です。
PlayStation コントローラが25年の間にどのように変化したかを振り返ることに私たちは刺激を受けました。それはまさに今ここで行うべきことです。
では、ソニーの象徴的なコンソール 用コントローラの歴史を詳しく見ていきましょう。
PS1 —すべての始まり
最初から始めましょう。
ゲーマが SNES と SEGA Genesis に慣れていた1995年末、北米でリリースされた初代 PlayStation。先行していたどちらのマシンにも適切なコントローラがありました。特に SNES のパッドは(その前身である NES の)標準からの脱却であり、
- 方向キー
- 2つのショルダボタン(L / R)
- 4つのフェイスボタン
- 2つの中央ボタン(スタート / セレクト)
を備えていました。
ソニーの最初のインスピレーションがどこから来たのかは明らかですが、最初のコントローラはこれよりさらに一歩進んだものでした。
最初の試みはいくつかの点で(他機種のそれと)差別化されました。
ユニークな方向キーのデザイン、3D ゲームの深みを強調するショルダボタン、人間工学と握りやすさを向上させるハンドル(グリップ部分)。
そしてもちろん、三角形、マル、バツ(X)、および正方形のボタン。これらはブランド(を表す記号)と同義です。また、シンボルの背後にある人間工学(心理学)はかなり賢明です。
まず、マルとバツは「はい」と「いいえ」を表すことを意味します。三角形は視点を表すことになっており、正方形は紙やメニューに似ていることを意図していました。
これらのアイコンの元々の目的は時間が経つにつれて失われましたが、シンボル自体はPlayStation パッドのすべての製品に貫かれています。
さて、ソニーが更新された PS のコントローラである DualShock を世界に披露するのは、本体発売からほんの数年後のことでした。更新とは2つあり、つまり左右のアナログスティックと2つのランブルモータを実装したことです。
スティックはもちろん、(当時の)業界全体のコントローラ設計の定番でした。これにより、3D ゲームでは、控えめな方向キーが提供する8つの方向への入力よりもはるかに優れた制御が可能となります。
DualShock は、スティック無しモデル(つまり一番最初の製品)に徐々に取って代わり、標準として「出世」しました。ゲームは次第に、2つのスティックでの操作に依存するようになり、『サルゲッチュ』に至ってはこれらが入力の中心として特別に設計されています。
ゲーマはまた、コントローラの振動機能を期待するようになりました。それは、長年にわたってソニーのパッドでほとんど変わることはありませんでした。
PS2 —黒く塗れ
PlayStation 2 に関しては、ソニーは自社のパッドが優れているということを知っていたようです。それに問題がなければ、それを直さないでください。
少なくとも外形デザインの点で、DualShock 2 はその前身とほとんど同じです。顕著な違いといえば、標準カラーです。PS で採用されていたライトグレーを、その後の標準となる滑らかなブラックに変更しました。
ただし、その他の改良点もありました。パッドが軽くなり、ほとんどの入力がアナログになりました。つまり、プレイヤが加えた圧力に応じて、ボタンの反応が異なります(感圧性ボタン)。
黒のカラーリングがデフォルトの見た目になっていましたが、DualShock 2 は多くのカラーバリエーションを導入しました。これは、ソニーが将来のコントローラでも提供するものです。どの色がお気に入りだったとしても、このコントローラはこれまでで最もよく使用されたものの1つである可能性が高いです。結局のところ、PS2 はこれまでで最も売れたコンソールです。
PS3 —大海にもまれ
始める前に、「ブーメラン」として愛情を込めて知られるようになった PS3 用パッドのプロトタイプを認識してみましょう。当時、ソニーが大きな変更を加えようとしていることは明らかでしたが、この初期のデザインはオンラインで非常に不評を買いました。
ソニーは最終的なデザインにおいてそれを製品化しませんでしたが、それでもプレイヤからの反応に基づいて多くを試しました。発売時には、おなじみのパッドを大幅に変更した SIXAXIS がありました。過去の製品からすべてのボタンを引き継ぎましたが、完全にランブルモータを取り除きました。これは、ソニーと Immersion 社との間で法廷闘争の最中にあったためです。
その代わりに、ジャイロセンサが実装され、PlayStation ゲーマに初めてモーションコントロールを紹介しました。
また、Bluetooth テクノロジィと充電式バッテリィが採用されたおかげで、ユーザは結局ワイヤから解放されました。ショルダボタンであった L2 と R2 は、深いストロークを持つトリガーになりました。
最後に、中央の「PS」ボタンを使用すると、プレイヤは PS3 をワイヤレスでオンにして、より多くのオプションにアクセスでき、最終的にゲームの途中であっても、コンソールのメニューへのアクセスが可能となりました。
重要な変更がたくさんありましたが、振動がなかったため、ゲームに何かが欠けていました。同時に、コントローラはこれまでよりもかなり軽量でした。PS3 の発売から数年後、ソニーはランブルモータをめぐる法廷闘争が決着し、DualShock 3 をリリースしました。SIXAXIS とほぼ同じで、ついに振動昨日を取り戻し、PS3 タイトルに新しい命を吹き込みました。
DualShock 3 は確かに改善されましたが、いくつかの批判に直面してもいました。トリガーボタンは凸型のデザインでは理想的ではなく、モーションコントロールはファーストパーティのゲーム以外ではほとんど無視されていました。
ただし、この世代で導入されたすべての新機能は次世代でも実装され、改善されます。
PS3 時代には、Wii リモートの人気に触発されて PlayStation Move コントローラが登場しました。
これらの「奇妙な杖」は、任天堂の珍しい入力(方法)に対する広範な愛情を完全には受け止めきれずにいました。しかし、ソニーの場合は PlayStation VR の登場により、ずっと後にはなりましたが、新たな定住先を見つけることができました。
PS4 —タッチの変化
繰り返しになりますが、ソニーの PS4 コンソールについては、最新のコントローラの設計を全面的に見直しました。DualShock 4 にはかなり大きな変更が加えられており、同社がこれまでに行った最高のコントローラとして広く認められています。
基本的にすべてが存在し、正しい一方で、全体的にはグリップが大幅に改善された大きなパッドです。ジャイロのモーションコントロールは不人気でしたが、そのままで、今回は最初から振動機能がありました。L2 および R2 ボタンは大幅に改善され、下ではなく上に湾曲し、さらにトリガーのように狭くなりました。
ただし、はるかに大きな変更がありました。前面と中央にはタッチパッドがあり、タッチスクリーンスタイルのコントロールを可能にする新しい入力です。また、クリック可能であり、DualShock 4 に追加のボタンを効果的に提供します。ボタンと言えば、スタートと選択、スタート以降のすべての PlayStation パッドに存在します、は、オプションと共有を支持して捨てられました。
Option ボタンは主にスタートとセレクトの両方ボタンに代わって機能します。Share(共有)ボタンはゲームのよりソーシャルな側面を果たします。この画期的な新しいボタンにより、プレイヤはスクリーンショットとゲームプレイ映像をキャプチャしてオンラインで直接共有できます。すぐに業界標準の入力になりました。
また、DualShock 4 には小さなスピーカが組み込まれており、コントローラーからゲームの音響を聞くことができます。ヘッドホンジャックを介して、ヘッドセットを直接パッドに接続できます。
人気が低いのはライトバーです。これは SIXAXIS であなたがどのプレイヤ番号だったかを示すために使用されていた小さな赤い LED に取って代わります。大きくて明るいとプレイヤは、青いビームがテレビの画面に反射すると不満を言うでしょうが。
しかし、PlayStation VR の登場により事情が変わります。開発技術者がコントローラの位置を読み取るためにライトバーが必要になりました。それはまだ DualShock 4 のデザインの特に人気のある部分ではありませんが、ライトを暗くしたり、完全にオフにしたりできるため、永続的な問題ではありませんでした。
限られたバッテリィ容量に不満はあるかもしれませんが、PS4 のコントローラは素晴らしいハードウェアと見なされます。
PS5 —刷新、その名は DualSense
そして次は、DualSense つまり、PS5 用のコントローラです。
今後のパッドは、デザインの点でもう1つの大きな飛躍であり、おそらくプラットフォームの歴史の中で最大のものです。この名前は、ソニーがここで混乱していないことの手がかりとなるはずです。DualShock ブランドはどこにもないだろうと私たちは皆確信していましたが、PS5 は名前からの変更で完全に刷新されたデバイスを先導しています。
外観デザインは標準からの脱却です。
DualShock 4 よりも大きい DualSense は、すべての主要な入力を保持しながら人間工学を改善したように見えます。通常のボタンは4つすべてありますが、象徴的な4つの記号はかつての色を失い、より均一な外観(無彩色)になっています。
一方、(本体の)色合いは大きく異なります。黒いパッドに慣れているので、白いフレームは非常に印象的で、コントローラのほんの一部だけが暗い色合いを示しています。悪名高いライトバーがパッドの表面(使用中は通常、上部になりますが)に移動し、拡張されたタッチパッドを囲んで青く光ります。「Share ボタン」は「Create ボタン」になり、PS ボタンは円形のボタンからエンブレム自体の形に進化しました。
最後に、下部にある追加されたボタンで、新しい内蔵マイクをミュート(オフ)できます。
新しい機能といえば、L2 と R2 はアダプティブ(適応)トリガーになりました。つまり、プレイヤにさまざまな感覚を与えることができます。
たとえば、弓の弦を引き戻すと、トリガーボタンに「抵抗」が生じ、押しにくくなります。次に、触感フィードバックが得られます。これは、古典的なランブルモータがよりハイテクなものに置き換えられます。そのため、プレイヤはより詳細な感覚を得ることができ、たとえば、車で走行する際、2つ違った路面を感じることができます
DualSense はソーシャルメディアで非常に人気があることが証明されているため、PS5 のパッドの未来は明るく見えます。
PlayStation の主要な入力デバイスを振り返ってみると、何年にもわたって何が変更されたか、何が変わっていないかを比較するのは魅力的です。基本的に、すべてのコントローラは同じボタンを備えていますが、ソニーは徐々に機能を追加しています。
DualSense は、DualShock 4 と比較しても大幅な変更のように見えるかもしれませんが、それでも完全に PlayStation の設計であり、オリジナルのコントローラの初期の成功を踏襲しています。
あなたのお気に入りのPlayStationパッドはどれですか?
あなたは PS5 用コントローラ DualSense に注目していますか?それとももっと親近感のある見た目を好んでいましたか?
以下のコメント欄であなたの意見をお聞かせください。
訳者注
リンク先ではアンケートが実施されています。選択肢は DualSense を含めたコントローラのどれが好きかに投票するようになっています。翻訳は不要かと思われます。Vote ボタンで投票すると、現在までの集計結果が表示されます。
補足 SNES(Super Nintendo Entertaiment System)
任天堂が発売した家庭用ゲーム機。
日本では、「スーパーファミコン」としておなじみです。
発売日は各国で異なります。
- 日本 1990年11月21日
- 北米・カナダ 1991年8月13日
- EU・南米 1992年4月11日
- オーストラリア 1992年7月3日
補足 SEGA Genesis(セガジェネシス)
セガが発売した家庭用ゲーム機。
日本では、「メガドライブ」としておなじみです。
発売日は各国で異なります。
- 日本 1988年10月29日
- 北米 1989年8月14日
- EU 1990年11月30日
補足 北米でリリース
日本では、1994年12月3日発売。
補足 NES(Nintendo Entertaiment System)
任天堂の家庭用ゲーム機。
日本では、「ファミコン」としておなじみです。
補足 数年後
1997年11月20日発売。
補足 ランブルモータ(rumble moter)
グリップ部分に内蔵されたモータ。
振動機能を提供するため動作します。
rumble の本来の意味は、(雷、装置などが)ゴロゴロ鳴る。
補足 サルゲッチュ
アクションゲーム。PlayStation 用に、1999年5月31日発売。
開発は、SCE Japan Studio(現: SIE Japan Studio)。
世界初の、DualShock「専用」ソフトです。
英語版のタイトルは『Ape Escape(エイプエスケープ)』。韻を踏んでいます(pe が脚韻 )。直訳は、「サル、逃げる」。
どちらのタイトルも「耳にとっての」工夫がこなされています。
それにしても日本語の柔軟性よ!
補足 軽く
重さは172g。全体的に部品等の関係で軽量化されました。
また、目に見えるところの変更で、DualShock と比べネジの位置が変わり、1つ少なくなっています。
補足 アナログ入力
以下の5つのボタンはデジタルのみです。
- スタート
- セレクト
- 「アナログ」
- L3 / R3
補足 法廷闘争
2002年、Immersion(イマージョン)社は、ソニーが DualShock に採用した振動機能が自社の特許技術を侵害していると SCE を告発。米連邦裁判所は$ 9060万の損害賠償支払いを SCE に命じました。
2007年3月1日、SCE は、イマージョンの訴えを全面的に認める形で和解に同意しました。
補足 軽量
- SIXAXIS 約136g
- DualShock 3 約193g
[sc_hd6 hdtitle="後記"]
良い学びになりました。
全てのテクノロジィや製品において言えることですが、われわれは、「それ」がなかった時代をやがて思い出せなくなるかもしれません。
例えば、PS4 が初めて手にしたゲーム機ならば、それ以前は、ある意味存在しません。少々大げさですが。
「ネットがなかった時代」はどうしていたのか?
これはよくある質問ですが、そう問いかけることすら忘れられようになるでしょうか。
人類は何かを改め、常に新しい状態にしようと望みます。
それが技術であり、経済なのですが、歴史を振り返ることもまた「前進」に他なりません。
未来を想像するのは楽しいのですが、それと同じくらい歴史はエキサイティングです。
全てはリンクしています。今は昔。
完全に思考のみで操作する日はやって来るのか?
果たしてそれは「バーチャル」なのか?
ゲームプレイの最終形態とはいかに(終着点は存在しないかもしれませんが)。
なんだか問いかけばかりです。その時代まで生きていられれば結構なことです。