[ビジネス]物理的ゲーム製品における「炭素集約」はかなり大きい
Gamesindustry の記事を翻訳いたしました(個人名は原文のままです)。
訳文の一番下にあるボタンからソースのページに移動できます。
物理的なゲームの製造と配送について
フランスの炭素会計会社 Greenly によるデータ
Sophie McEvoy(Staff Writer) Nov. 4, 2025
新たな研究によると、ゲームの物理コピーを購入すると、デジタル版を購入するよりも「炭素集約度が100倍高い」ことが判明しました。
「ゲームの炭素フットプリント」という報告書は、フランスの炭素会計会社 Greenly によって作成され、PC、ゲーム機、モバイル、携帯機、およびさまざまな形式のゲーム制作の環境への影響を調査しています。
Greenly は、物理的なゲームの製造と輸送が環境に大きな影響を与えていることを発見しました。同社の Théo Nicolau-Guillaumet 氏は、100万枚のディスクの製造と梱包で 312トン の二酸化炭素相当量 (tCO2e) が排出される可能性があると推定しています。
比較すると、同じ数のゲームのデジタルコピー(70GB 相当)をダウンロードすると、3 tCO2e が排出されます。
「クラウドベースのゲームは、電力を大量に消費するデータサーバに継続的にアクセスする必要があるため有害となる可能性がありますが、物理的なビデオゲームの製造とパッケージングの継続的な影響も無視できないものです」
と、研究著者の Stephanie Safdie 氏は GamesIndustry.biz に語りました。
結局のところ、デジタルコピーのダウンロードは、家庭での電力使用と関連するデータセンタの電力使用に関連する排出を引き起こしますが、埋め立てや過剰な廃棄物という点で業界が生み出す排出と同じ影響はありません。埋め立てや過剰な廃棄物は、主に物理的なゲーム機やゲームのディスク製品によって発生しています。
「全体として、物理的なビデオゲームはデジタルゲームよりも炭素集約度が低いかもしれませんが、その最終的な影響を過小評価すべきではありません」
報告書は、物理ディスクの製造中に希土類金属やプラスチックを抽出するには「大量の電力が必要となり、すでに限りある水資源を枯渇させる可能性がある」と強調しています。
コンソールの製造にも同様の影響があり、チップ技術の進歩によってさらに悪化しています。つまり、コンソールの生産に使用されるチップの製造と出荷には、さらに多くの電力が必要になります。
Greenly の計算によると、従来のゲーム機は製造されると合衆国で年間 3.9テラワット/時(TWh)の電力を消費し、160万t の CO2e を排出します。
テレビの電力消費も加えると、使用量は年間 6.5TWh に増加し、260万t の CO2e が排出されます。
PCに関しては、Greenly はプラットフォームが1日平均2時間25分使用され、年間 84kg CO2e(0.084t)の排出量が発生すると推定している。
製造工程における年間排出量を含めると、この値は 149kg CO2e(0.149t)に増加します。世界中のプレイヤ層は約18億6000万人で、PC の使用(ゲームに限らない)による年間の二酸化炭素排出量は 2億7714万 tCO2eと推定されています。
同社はモバイルについて、1人のユーザが1日平均97分間使用した場合、20kg CO2e(0.02 tCO2e)を排出する可能性があると推定しました。
この数字は微々たるものに見えるかもしれませんが、膨大な数のモバイルプレイヤを掛け合わせると急速に増加し、モバイル上の全世界のプレイヤ層は29億人で、年間5,800万t に達すると同社は指摘しました。
Xbox Cloud Gaming や Playstation Now(当時) などのプラットフォームを使用するクラウドベースのゲームは、物理的なゲームや物理的なコンソールを必要としないため、より好調でしたが、これをホストするサーバの電力需要によって部分的に相殺されました。
Greenly は、プレイヤが1週間あたり平均7.6時間をゲームに費やしていることを指摘し、1時間のゲーム時間で 0.44kg CO2e (二酸化炭素換算) が排出されることを発見しました。
プレイヤにとって最も環境に優しいプラットフォームの選択肢は携帯型ゲーム機であり、Switch などの機器ではは年間 13.8kg CO2e (0.014t) を排出します。
「これらのゲーム機の製造は、通常、炭素集約度が低いことが証明されており、この基準数値に貢献しています」
と、Gleenly は説明していあます。また、報告書では、Switch などのゲーム機がテレビにドッキングされるため、使用による実際の影響は若干高くなると強調されています。
報告書では、ゲーム会社が二酸化炭素排出量を削減できるいくつかの手段が提案されています。
これらには、業界の随所で取り組み可能です。つまり、部品の再利用を可能にする下取りプログラムを実行するコンソール製造企業、電力消費量を減らし、ひいては二酸化炭素排出量を削減するデフォルト設定でコンソールを出荷するコンソール製造企業、そしてEpic の『Fortnite』での取り組みで実証されているように電力消費を最小限に抑えるためにゲームを最適化する開発会社などが対象です。
同社は、Microsoft のデジタル Xbox シリーズを、その省エネ性能と、部分的にリサイクル素材を使用して製造されている点を理由に、「市場で最も環境に優しい製品の一つ」として取り上げました。
報告書によると、ゲームダウンロードの予想電力需要を店舗の売り場に置いて目立つように表示し、低炭素ダウンロードや中古ゲームに割引を提供することで、顧客がより環境に優しい選択を検討するよう促すこともできるとい言います。
Greenly はまた、最近のリサイクル/中古品ショッピングのトレンドに倣い、中古の物理的なゲームに焦点をあてた新たな業界とコミュニティを提案しました。
同団体は、ゲーム業界のインフルエンサの奨励を受け、衰退した実店舗を活用して中古品の売り場を増やし、対面での取引を支援することを提案しています。
世界中のゲーム消費人口を考えると、相当な量です。
なかなか実感し難い数字です。
そして、モバイルの普及・使用は圧倒的です。
今後、どう推移していくでしょう。
ちなみに、このサイトも PC により更新・管理されています。
当然、レンタルサーバ上に保存されています。


