[SIE]新年度より、西野氏が単独で CEO を務めます
Push Square の記事を翻訳いたしました(個人名は原文のままです)。
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就任から1年未満で経営体制変更
現 CEO の Hulst 氏は、引き続きファーストパーティを統括
Sammy Barker 2025.1.29 Wed 6:00
Image: Push Square
Sony の経営体制の劇的な刷新により、PlayStation は導入から1年も経たないうちに CEO 二人体制を廃止しました(訳者注: 日本語版公式サイトへのリンク)。
Jim Ryan 氏の退任に伴い、元 Guerrilla Games のマネージング・ディレクタである Hermen Hulst 氏が、プラットフォーム・ビジネスグループの重鎮である西野秀明氏とともに共同 CEO に任命されました。2人は、2024年6月1日に正式に着任しました。
しかし、この勢いは終わり、西野氏は今後、PlayStation を擁する Sony の子会社、Sony Interactive Entertainment の単独 CEO に就任することになります。
「Sony Interactive Entertainment の舵取りを任されることを大変光栄に思います」
と、西野氏はプレスリリースで述べました。
「技術と創造性は、あらゆる人にエンターテインメントをお届けする体験の開発に注力し続ける当社の最大の強みです。今後も知的財産の拡大など新たな方法で PlayStation コミュニティを成長させながら、最高の技術革新も実現していきます」
「スタジオビジネスグループの CEO として引き続き職務を遂行する Hermen 氏の専門知識と統率力に感謝したいと思います。PlayStation コミュニティとその継続的なサポートに深く感謝しており、今後の展開に非常に期待しています」
前述の通り、Hulst 氏は引き続き PS のファーストパーティを率いる予定なので、今回の再編によって組織の日常的な運営に大きな変化は生じません。
とは言え、これは、Sony 経営陣が望んでいたほど、CEO 二人体制が効果的に機能していなかったことを示唆しています。
昨年10月に、両 CEO は Variety 誌に自分たちの役割について説明しようとしました。
「これは共同 CEO ではありません。会社には2人の CEO がいるのです」
と、西野氏は複雑的物言いをしました。
「Hermen は彼の仕事を、私は私の仕事を、そして一緒にビジネスを成長させる方法について話し合います。それを成功させるには、お互いにどのような影響を与えるか、あるいはどのような犠牲を払うかといった葛藤もあります。それはバランスの問題です。チャンスでありリスクでもあります」
しかし、そのリスクはなくなります。両者は引き続き緊密に協力しますが、最終決定権を持つのは西野氏となるからです。
この変更の一環として、Sony Group 株式会社の社長兼最高執行責任者兼最高財務責任者である十時裕樹氏は、SIE の会長を退任し、同社の CEO に就任します(訳者注: 日本語版公式サイトへのリンク)。吉田憲一郎 CEO は、引き続き取締役兼代表執行役会長を務めます。
「Hermen や西野とより緊密に協力し、Sony Interactive Entertainment における常に変化し、急速に進化する世界について洞察を得ることができてうれしく思います」
と、十時氏は語りました。
「西野とこの優れたリーダーシップチームにバトンを渡すにあたり、私は SIE が今後新たな高みに到達すると確信しています。30年にわたり世界中で優れたエンターテインメントを提供してきた SIE にとって、これは刺激的な新しい章の始まりであり、何百万人ものプレイヤの創造性を育み、有意義なつながりを築くという同社の取り組みを強調するものです」
現在、PlayStation 本体の財務担当役員を務める Lin Tao 氏が、SG 株式会社の最高財務責任者に就任します。彼女の後任者はまだ発表されていません。
これらの変更はすべて、2025年4月1日より発効します。
SIE が、CEO の二人体制を変更する理由
これは、PlayStation の階層構造に大きな変化をもたらすように思えますが、実際には Hulst 氏と西野氏は、それぞれの役割に集中して最大 80% の時間を費やしていると語っています。
西野氏の場合、それはハードウェア、アクセサリィ、PSN、およびサードパーティとの関係を監督するプラットフォーム・ビジネスグループです。
Hulst 氏にとって、それはスタジオビジネス・グループであり、ファーストパーティゲームや PS Productions などのその他の社内事業計画が含まれます。
この新しい体制では、どちらの役員の役割と責任も変わりません。大きな変化は、十時氏が Sony Group 株式会社の CEO に昇進することです。これは、彼が今後は Sony Interactive Entertainment の日常業務に関与しなくなることを意味します。
そうなると、おそらく西野氏が十時氏の責任の一部を引き継ぎ、Hulst 氏は引き続きファーストパーティのゲームに全力を注ぐことになるでしょう。
この新しいリーダーシップは PlayStation にとって何を意味するのでしょうか?
一般消費者にとっては、通常通りのビジネスです。階層構造は変更されましたが、Hulst 氏は依然としてファーストパーティに重点を置き、西野氏は引き続き事業の他の分野を監督しています。
2人は共同 CEO ではなくなりましたが、非常に緊密な協力関係を維持するでしょう。
最近は、PlayStation のファーストパーティにとって最良の時期とは言えず、『Concord』の失敗とそれに続く多数のライブサービス・プロジェクトの中止が話題をさらっています。
そうなると、Hulst 氏にとって他の経営業務に気を取られず、Sony の社内スタジオ群を指導して素晴らしいゲームを再び作ることだけに集中できるのは有利なことなのかもしれません。
しかし、昨年の『Astoro Bot』が Game of the Year を受賞し、『Helldivers 2』が Sony 史上最速で売れたゲームとなったことは強調しておかなければなりません。
今年は『Ghost of Yotei』と『Death Stranding 2: On the Beach』の発売が予定されています。また、『Intergalactic: The Heretic Prophet』や『Marvel’s Wolverine』といった期待作の新たな情報公開も予定されています。
さて、この世代の後半、および次世代での方針はどうなるでしょう。
ところで、公式サイトの文章、半角スペースを使うのか使わないのか、一貫してほしいものです。