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[ビジネス]吉田修平氏が語るゲームの楽しさと未来(The Guardian によるインタビュー)

 

The Guardian の記事を翻訳いたしました(個人名は原文のままです)。
 訳文の一番下にあるボタンからソースのページに移動できます。


 

PlayStation の顔
吉田修平氏が語るゲームの楽しさと未来


Keza MacDonald Mon 24 Apr 2023 14.05 BST



写真: Ash Knotek/Rex/Shutterstock

 

 1993年初頭、吉田修平氏は、Sony の初期の PlayStation 部門に事業開発担当者として入社しました。かれは、チームの最初のメンバであり、エンジニアリングの経歴がありませんでした。久夛良木健氏やオリジナルの PlayStation の設計者たちと協力し、その後、ゲーム開発の伝説である Mark Cerny 氏や山内一典氏とともにクラッシュ・バンディクーや Gran Turismo のゲームを制作していたとき、彼は自分の運が信じられなかったことを率直に認めています。
 ビデオゲームへの貢献に対して BAFTA の権威あるフェローシップ賞を受賞する前夜に彼と話をすると、彼は今でも自分の成功に愛情を込めて驚いているようです。

 

「(この賞を)受賞したことのある人たちはみんなクリエイタ!素晴らしい、才能のある、天才の人々!自分がどのように賞にふさわしいのかわかりません」
 と、彼は言います(これまでの受賞者には、宮本茂氏、小島秀夫氏が含まれます)。
「しかし、誰もが私はそれに値すると言って下さるので、そうなのだと思います」

 

 吉田氏は、ゲーム業界で働く人々だけでなく、2008年から2019年まで Sony のゲームスタジオの社長として何十年にもわたってゲーム開発の擁護者であり、何百人もの開発者たちがゲームを PlayStation に移行するのを支援してきました。のみならず、ファンたちも。
 PlayStation 4 が世界で最も人気のあるコンソールだったとき、彼は Sony のマーケティングとコミュニケーションにおける定番の顔であり、ライバルの Xbox One コンソールを優しくからかったり、ビデオゲームのポッドキャストに出演して彼が楽しんでいたゲームについて話し合ったりしていました。

 

写真: Sony

 

 59歳になった今でも、God of War や Horizon などの Sony の大ヒット作から、あまり知られていない開発会社の独立系ゲームまで、あらゆるゲームをプレイしています。現在、自分は Marvel Snap の大きな習慣を持っている、と彼は私に言いますが、最近発売された PlayStation VR2 ヘッドセットで BAFTA 賞を受賞した『Before Your Eyes』もプレイしています (それは彼を泣かせました)。また、任天堂の洗練、創造性、手触りの良さへの絶え間ない賞賛を表明しています。
 彼は、ビデオゲームのジャーナリスト、ストリーマ、インフルエンサが誰であるかを知っており、無意識に自撮り写真を Twitter に投稿しています。彼は、最初はゲーマであり、その次に経営者です。これは、任天堂の懐かしく思い出される今は亡き岩田聡社長のようでもあります。

 

 2000年、吉田氏は合衆国に派遣され、PlayStation の合衆国のスタジオである Naughty Dog (後に The Last of Us を制作)、Sucker Punch、Insomniac の運営を支援しました。彼が最初の Game of the Year を受賞したオリジナルの『God of War』(2005年) に取り組んだのは、ここ Santa Monica Studio でした。それは多くうちの最初のものでした。
「その後、非常に多くの Game of the Year 賞があり、信じられません」
 と、彼は言います。
「GOTY のゲームに1つでも関わっていれば、それは良いキャリアだと思いますが、私にとっては6つか7つです」

 

 しかし、これらの成功の背後には多くの失敗がありました。プロジェクトのキャンセル、うまくいかなかったいくつかの開発提携関係、一般に公開されなかった多くの作業などです。ゲーム開発の仕事をしていると、それに慣れると吉田氏は言います。
「PlayStation は新しいアイデアを取り入れていますが、その多くは失敗しています。私たちは試作品を作成し、評価し、より多くの時間とリソースを費やすか、または単に停止するかを決定します。よって、非常に多くのゲームをキャンセルします。
 私は通常、開発会社がこのプロジェクトに行き詰まるのを防ごうとしているのだと納得させようとします . . . 。私たちは非常に強力なアイデアを持っている人と仕事をする傾向があり、彼らに敬意を持っているので、彼らのプロジェクトを変更したり止めたりするのはとても難しいです。この業界では才能がすべてです。私はできる限り彼らを助けようとしました」

 

 そうすることで、吉田氏はアイデアから試作品、発売まで、ゲームのライフサイクル全体に立ち会うことが多く、開発者たちがそれらを実現するためにどれほど懸命に努力しているかを見ています。2012年の『風ノ旅ビト』(Journey)は、Thatgamecompany の制作者にとって信じられないほど困難なプロジェクトであり、彼の経歴の最重要期の中に今でも数えられます。
「そのゲームがすべての年間最優秀ゲーム賞を受賞しました。その際、最高のインディゲームだけでなく、これらすべての AAA タイトルに対して最高のゲームを獲得した瞬間、何かが始まりました」
 と、彼は言います。
「プレイした人々に大きな影響を与えています。4時間で終わるかもしれませんが、これは生と死に関するものであり、家族や親しい友人を亡くした人々は、プレイしながら経験したことを振り返ることができます。それに関われたことをとても幸運に思います」

 

 吉田氏が業界で働いてきた25年以上の間に、多くのゲーム開発会社にとって事態はますます困難になってきました。開発コストは急上昇しました。2010年の『God of War III』は、当時としては非常に高価なゲームでしたが、制作費は $4,400万 でした。『God of War: Ragnarok』などの最新の PlayStation 5 ゲームの開発費は約 $2億 です。
 (主要企業による)開発大規模化の裏側では、独立した開発会社がより少ない予算でより優れたゲームを開発しているため、注目を集めるのが難しくなっています。

 

Image: 2012年 『風ノ旅ビト』(Journey)

 

「ゲームに資金を提供するのは大変です。また、素晴らしいゲームを作ったとしても、市場には誰も知らない素晴らしいゲームがたくさんあります」
 と、彼は考えます。
「良いことは、最近では、本当に優れた高品質のインディーズパブリッシャが存在することです。昨年サンパウロにいたとき、Devolver、Curve Digital、Team17 のスカウトがいて、これらの場所から才能を見つけようとしていました。彼らだけが作ることができるゲームがあります。そのためにゲームの文化的背景、神話、アートワーク、音楽、すべてが市場で際立つ特別なものになる可能性があります. . . 。市場においては、すべては経済です。
 いくつかの高額予算ゲームは数千万本を販売し、これらすべてのリソースを高価な地域に投入することを正当化します。一方で、業界は多様化する必要があり、それは自然かつ有機的に起こると思います」

 

 最近の吉田氏の仕事は、ヨーロッパ、日本、北アメリカの確立されたゲーム制作地域の外に手を差し伸べ、才能を開拓することです。これは、PlayStation の大きなライバルである Xbox も投資している分野です。
 そしてまた、彼も AI ツールを注視します。それらは、ゲームを含むクリエイティブ業界で多くの驚愕を引き起こしており、人間の仕事の価値を下げる可能性があるためです。一方で、ゲーム開発をより多くの人々に開放し、そのコストを劇的に削減するものとしても機能します。

 

「ちょうど今朝、日本で開催されたインディコンテストで15の売り込みを行っていました。そのうちの1つに、少人数の学生チームが作成した驚くほど美しいグラフィックがありました」
 と、彼は説明します。
「彼らは、AI アートジェネレータである Midjourney を使用してアートを作成したと述べました。少数の若者が素晴らしい見た目のゲームを作成できることは強力です。将来的には、AI は興味深いアニメーションや動作を開発し、プログラムのデバッグを行うことさえできるでしょう」

 

写真: Stuart Wilson/Bafta/Getty Images for Bafta

 

 アート、音楽、コードなどの分野で人間の努力が AI に取って代わられるのではないかという開発者たちの懸念について、彼はどう思うか尋ねてみました。
「道具です。誰かが道具を使わなければなりません」
 と、彼は言います。
「すでに見聞きされたでしょうが、AI は非常に奇妙なものを生み出すことができます。その道具をうまく使いこなせるようになる必要があります。AI はゲーム開発者の学習の性質を変えますが、最終的に開発はより効率的になり、より素晴らしいものは人によって作られるようになります。
 これらの未来のツールの使い方を学べば、プログラミングを学ぶ必要さえなくなるかもしれません。クリエイティビティ、方向性、望むものをどのように思い描くかがより重要です」

 

 吉田氏は、ビデオゲームをあらゆる技術的進歩を取り入れて楽しみに変える媒体と表現しています。
「ゲーム業界は楽しい場所であり続けるでしょう」
 と、彼は言います。しかし、彼は1990年代と同じように、その未来を定義するのはテクノロジィやビジネスモデルではなく、才能だと断言しています。
「この業界は成長を続けており、創造的なアイデアや新しいことに取り組もうとする人々をサポートし、追い求め続けることを願っています。毎年トップ10のゲームがほぼ同じで、すべてのゲームがサービスゲームになるのは見たくありません . . . 。
 それは、私にとって少し退屈です」

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ついでに、「管理人からひとこと」を読んでみる


 

管理人からひとこと

∠(`・ω・´)あたらめて、おめでとうございます
今後のご活躍も楽しみです。


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